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経済

インフレとデフレとは? これらの違いについてわかりやすく解説

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hachikundaisuki8
兄さん
兄さん

最近色々な物の値段が上がっていて、生活が苦しくなっている気がする…
インフレって良いことなんじゃなかったっけ?

はちくん
はちくん

実は「インフレ=善」という訳でもないんだ。
その定義から背景まで詳しく説明するね!

ここ数年、色々なモノの値段が上がっていると感じませんか?

実際「物価が上がっている」「インフレが進んでいる」といったニュースをよく耳にする方も多いと思います。

その一方で「そもそもインフレとは」と聞かれると十分に答えられない人もいると思います。

インフレやデフレは、私たちの給料や生活に直結するテーマです。

ぜひこの機会に、経済の基礎について理解してみてください。

この記事では、インフレ・デフレの意味から私たちの暮らしへの影響まで、知識が全然ない方でも理解できるように解説していきます。

以下に該当する方はぜひ最後までご覧ください。

こんな人におすすめ

ニュースや社会の動きに興味がある人
インフレ・デフレについて理解できていない人
経済の基礎をゼロから理解したい人

そもそも経済とは

まず、「インフレ」「デフレ」について説明する前に、土台となる「経済」とは何かを整理します。

経済を一言で表すと「社会の中でお金とモノが循環する流れ」になります。

経済の循環
社会のお金とモノの循環を表した図

上の図が経済を簡潔に表したものになります。

私たちは働いて給料をもらい、そのお金で財やサービスを買い、企業はその売り上げで人を雇い、設備を整え、さらに財やサービスを作る。また、企業や政府が民間銀行や日本銀行からお金を借りることで社会のお金の量が増加し、返済や徴税によって減少する。

長くなりましたが、この循環全体が「経済」になります。

この経済の中で、「財やサービスの値段」がどのように決まるかを示すのが「物価」であり、その物価が全体として上がったり下がったりする現象が、インフレ・デフレになります。

インフレとは

次は、インフレについて説明します。

インフレ(インフレーション)は、広辞苑では次のように定義されています。

通貨の量が財貨の流通量に比して膨張し、物価水準が持続的に騰貴すること

これをわかりやすく言い換えるとこうなります。

インフレとは、世の中に出回っているお金の量が財やサービスを生産する量よりも膨れ上がることで、財やサービスの値段が全体的にじわじわ上がり続けること

例えば皆さんがパン屋さんを経営していて、1日100個のパンを生産できるとします。でもお客さんの注文が120個来た場合、生産できる量を超えるので値段を上げるということです。

ここで重要なことは次の2点です。
①「需要>供給」の状態であること
②「持続的に」物価が上がること

「インフレ」という言葉は、英語の「inflate=膨らむ」が語源です。

「需要(買いたい・使いたいという気持ち)」が膨らみ、経済全体の需要が大きくなると物価が押し上げられていきます。

この「需要が膨らむ」というイメージは、次に紹介する「良いインフレ」とも深く関係します。

ただ、一般的には「物価上昇=インフレ」という定義で使用されることが多く、インフレには大きく3種類存在すると言われています。

ディマンドプル・インフレ

まず1つ目は「ディマンドプル・インフレ」です。

日本語にすると「需要(ディマンド)牽引(プル)インフレ」となります。

これは、需要(人々が財やサービスを買いたいという力)が強くなり、供給能力を上回ることで起こるインフレです。

例えば景気が良くなって給料が増え、人々が外食や旅行・家電の買い替えなどに積極的にお金を使うようになると、企業は「もっと作れば売れる」と判断します。

インフレ時の需要と供給のバランス

上の図はインフレ時の需要と供給を表したものになりますが、企業からするともっと生産量を上げるとその分売り上げが上がる状態です。

そのため、企業は工場を増やしたり、新しい設備を導入したり、従業員を増やしたりして生産能力(供給能力)を引き上げていきます。

このとき、物価は上がりますが、それと同時に企業の売上や利益も増え、賃金も上がりやすくなります

つまり、「物価の上昇」と「所得の増加」がセットで進むことで、経済全体が成長していく好循環が生まれます。

その結果、一人当たりの生産性が上昇し、私たちが暮らしていくのにかかるコストが軽減していくことに繋がるため、「良いインフレ」とも言われます。

そしてこれを「経済成長」と言う訳ですね

コストプッシュ・インフレ

2つ目は「コストプッシュ・インフレ」です。

このインフレの場合、需要が大きくなっていないにも関わらず、エネルギー価格や輸入品の価格が上昇することで、企業のコスト(費用)が押し上げられ、その分が販売価格に転嫁されることで起こるインフレです。

コストプッシュインフレ

上の図はそのコストプッシュ・インフレを表したものです。

例えば、海外で原油価格が急騰したり、円安によって輸入品の価格が上がったりすると、ガソリン代や電気代・輸入食品の価格が上がります。企業は増えたコスト分を価格に反映することになりますが、利益そのものは1円も増えていません。

このインフレの場合、物価は上がっているのに、家計の使えるお金は増えない、むしろ減ってしまうことに繋がります。

結果として、消費が冷え込み、企業の売上も伸びず、景気が悪化する可能性があるため「悪いインフレ」とも呼ばれます。

ただし…

インフレは本来「需要>供給」の関係の状態であるべきなので、これはインフレではなく物価高騰と呼ぶのが正しい状態になります。

サプライロス・インフレ

3つ目は「サプライロス・インフレ」になります。

サプライは「供給」ロスは「損失」という意味で、「供給側の能力が失われることで起こるインフレ」になります。

例えば、大規模な自然災害や戦争などによって、工場が破壊されたり、物流が寸断されたりすると、モノやサービスを「作る力」「届ける力」そのものが落ちてしまいます

この状況を図で表すと以下のようになります。

サプライロス・インフレ

今まで需要と供給が釣り合っていたのに、災害や戦争等によって供給能力が削られたことで需要が供給を上回る状態になるということです。

このとき、需要が特別に増えていなくても、「供給できる量」が減ることで、物価が上がることになります。

実際に、日本は戦後、200%を超える非常に高いインフレ率を記録しましたが、これはアメリカ軍によって日本国内の供給能力が破壊されたためです。

サプライロス・インフレは、「需要が膨らんでいるわけではないのに、生活必需品の価格が上がる」という点で、家計にとっても企業にとっても厳しいタイプのインフレと言えます。

デフレとは

次に、インフレの反対側にある「デフレ」について見ていきます。

デフレは、英語の「deflate(しぼむ)」が語源です。

インフレが「膨らむ状態」だとすれば、デフレは「しぼむ状態」です。

「しぼむ」の主語は、インフレ同様「需要(買いたい・使いたいという気持ち)」です。

デフレ(デフレーション)は、広辞苑では次のように定義されています。

物価が持続的に下落すること

デフレの状態を図で表すと以下のようになります。

デフレ時の需要と供給のバランス

つまり、「一時的にセールで安くなった」という話ではなく、「多くの財やサービスの価格が全体として、ある程度の期間にわたって下がり続ける状態」を指します。

物価が下がる理由は、生産してもその分の財やサービスが売れないので、企業側が値段を下げざるを得ないことです。

スーパーの閉店前に売れ残った商品が割引されるみたいな感じが社会全体で続くイメージです。

物価が下がると、一見「生活が楽になる」ように見えるかもしれません。

しかし、物価が下がると企業の利益も減少し、賃金も減少します。

そして賃金が下がるので人々は財やサービスの消費を抑制し、企業は商品が売れないから値下げをし…

と、これが連鎖していきます。

その結果、経済全体が縮み、失業が増えるなど、長期的には大きなマイナスをもたらします。

このデフレ状態がバブル崩壊から約30年間続いたのが日本であり、失われた30年と言われる所以です。

おわりに

今回は「インフレとデフレ」について基礎から解説しました。

ニュースを見ていると、「インフレで生活が苦しい」「デフレで失業者が…」という話も聞くかと思いますが、それぞれどういった背景があるのかを理解することで対処法が変わってきます。

もちろん、目指すべき方向は「ディマンドプル・インフレ」であり、需要が供給能力を引き上げていく状態です。

そして、そこに大きくアプローチできるのは日本政府であり、その構成員を選ぶのは私たち国民です。

これを機に、日本の現状・将来について考えるきっかけになれば幸いです。

はちくん
はちくん

基礎が理解できれば見えてくる範囲も広くなるよ

【出典情報】
1930 年代から1940年代の経済・財政運営と物価変動の関係
https://www.mof.go.jp/pri/publication/research_paper_staff_report/staff25.pdf
戦後ハイパー・インフレと中央銀行
https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk31-1-7.pdf

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はちくん
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