9割以上が誤解!? 「国の借金」の真実をわかりやすく解説

経済をよくするには減税が必要だというのは何となくわかったけど、借金をたくさん抱える今の日本にそんな余裕なんてあるの?

よく言われる「国の借金」ってやつだね。
これに関して、誤解している国民がたくさんいるんだ。事実を知ると大した問題じゃないから、1から解説するね!
みなさん、一度は「日本は借金大国である」「国の借金1000兆円」のようなフレーズを耳にしたことがあると思います。
こういったニュース等を見て不安になったことはありませんか?
しかし、この表現は事実ではあるものの、誤って理解している人が極めて多い代表例です。
その結果、「借金1000兆円」という巨大な数字だけが独り歩きし、「日本は破綻する」「将来世代へのツケだ」といった誤解が広がっています。
この記事では、財務省や日本銀行などの公的データを基に、「国の借金」に関する事実を知識ゼロの方でも理解できるように解説します。
以下に該当する方はぜひ最後までご覧ください。
ニュースや社会の動きに興味がある人
「国の借金」に不安を感じている人
経済の基礎をゼロから理解したい人
「国の借金」の現状
まず、いわゆる「国の借金」の現状について説明します。
財務省の発表によると、
2025年12月末時点での国の借金は、1,342兆1,720億円に達しています。
そしてこの金額を日本人の人口で割ると、「1人当たり約1,090万円」となります。
また、同じ年の2025年9月末時点から8.5兆円以上増加しており、過去最大を更新しました。
「国の借金」の定義
先ほどの説明を聞くと、
・日本の借金は多くて大変だ
・早く返さないと大変なことになる
と感じる方もいるかもしれません。
が、「国の借金」って実際はどういったものなのでしょうか?
ここの部分が理解できていないのにその先を考えるのは、
現在地を知らないのに目的地に向かおうとするのと同じです。
まずは「国の借金」について見ていきましょう
国とは?
「国の借金」の「国」とは、一体何を指すのでしょうか。
まず多くの方が考えるのは「国家」ではないでしょうか?
しかし日本語は便利なのか不便なのかわかりませんが、「国」という言葉は「国家」「政府」「地方」など様々な意味として使用されます。
そしてここで言う「国」とは「政府」になります。
「国が支援してくれる」の使い方と同じですね。
つまり、私たちの借金ではなくて政府の借金なんです!
これが仮に、日本という国が他国から借りているお金(例えば日本がアメリカからドルを借りる等)であれば、私たちに直接関わる借金になります。
なので、国民一人当たりで計算すること自体おかしな話なんです。
民間企業で例えると、
「三菱UFJフィナンシャルグループは約400兆円弱の負債を抱えていて、社員は約15万人いてるので、社員は一人当たり26兆円の借金を抱えているのだ」と主張しているのと変わりません。
もちろん社員からしたら、「借金しているのは会社であって、私たちは1円たりとも借金をしていない」と感じるでしょう。
ここで理解して欲しいのは、
負債を抱えている主体は「政府」であって、国民が負債を抱えているわけではないということです。
「借金」とは
次は「国の借金」の「借金」の部分を見ていきます。
正直、ここの定義には多少のばらつきがありますが、基本的には「国債残高」もしくは「国債残高と国庫短期証券残高の合計」のどちらかになります。
例えば、政府が財政出動をするときはお金が必要になりますが、その場合は国債を発行することで資金を調達します。
その「国債」が借金と言われる部分になります。
「国の借金」の貸し手
よく耳にする「国の借金」ですが、いつも借りて側である政府の負債の方ばかり注目されていますよね。
でも考えて欲しいのは、借り手がいるということは貸し手もいるということです。
当然といえば当然ですが、なかなか報道等ではここまで伝えられることはありません。

上のグラフは財務省の資料から引用しています。
これを見るとわかると思いますが、国債の保有者は
・民間銀行
・保険会社
・日本銀行
がその多くを占めているのが現状になります。
特に注目して欲しいのは、
日本銀行が国債(借金)の約半分を保有しているという点です。
確かに政府は国債の元本返済や利払いをする必要があるのですが、その方法が「日本銀行」という特殊セクターが存在していることで、私たちが想像する借金返済とは異なります。
次のパートでは、日本銀行に焦点を当てながら国債の返済等について解説します。
日本銀行について
政府の子会社
おそらく皆さんは、「日本銀行は民間銀行とは異なる存在」とは知っていると思いますが、どのように異なるのかを知っていますか?
日本銀行は、法律上「特殊法人」に当たり、
株式の55%以上を日本政府が保有しています。
ちなみに上場もしています。
一般的に「日本銀行の独立性」などと言われますが、実質的には政府の子会社として存在しています。
なので、日本銀行は日本政府の一部ということになります。
日銀保有の国債
日本銀行が日本政府の子会社となると、日本銀行が保有する国債はどういった位置づけになるのでしょうか。
結論から言うと、
日本銀行が保有する国債は政府というグループ内の貸し借りに過ぎず、全体で見るとプラスマイナス0になります。
なぜなら、日本銀行が保有する国債が500兆円だった場合、日本政府にとっては500兆円の赤字ですが、日本銀行にとっては500兆円の黒字だからです。
また、日本銀行に支払った国債の利払い費については、民間グループ会社の連結決算と同じように、国庫納付金として政府(国庫)に納付されることになっています。
つまり、
日本銀行が保有している国債については、そもそも「国の借金」に計上すべきではないのです。
民間が保有する国債
先ほどの説明で、日本銀行が保有する国債については気にする必要がないことが分かったと思います。
では、民間の銀行などが保有する国債についてはどのように考えれば良いのでしょうか。
まず、民間が保有する国債は確かに政府にとっては赤字、つまり借金です。
「じゃあ残り約半分の借金は日本は破綻するの?」
「将来世代にツケを残さないためにも返さないと」
このように考える人も居ると思いますが、これも問題ありません。
なぜなら「日本銀行」という特殊セクターがここでも活躍するからです。
基本的に民間銀行が保有する国債については、
満期が来たら借換債の発行(借金を返すために新たな借金をすること)で対応します。
※私たちで言うと、住宅ローンをより金利が低い方に切り替えるイメージです。
ただ最終的には、金利調整等の目的で日本銀行が民間から国債を買い取ることになります。
これによって、返済する相手を民間の企業から日本銀行に変えているのです。
ここでよく出てくる疑問が
「日本銀行が国債を買い取るときの資金はどこから持ってくるのか」ということです。
答えは「0から作った日本円」です。
日本銀行は通貨発行権を持っているので、別にどこかからお金を集めて、そのお金で国債を買い取る必要は一切ないのです。
これは客観的な事実であり、否定することができない部分です。
もちろん日本銀行も認めています。
そして日本銀行が買い取った国債については、先ほどと同様、日銀と政府を1つの存在として見るとプラスマイナス0になります。
財政破綻はしない
今までの説明を理解できれば何ら難しい話ではないと思いますが、政府が借りているのが日本円である以上、財政破綻のリスクはゼロになります。
理由を一言で言うと、
「日本円は日本政府(日本銀行)が0から作っているものだから」ということになります。
仮に「日本銀行が存在しない世界」に私たちが住んでいるのなら、そのリスクは考えられますが…
つまり「政府の赤字が膨らむと財政破綻するのでは」と心配するのは、「目が覚めたら火星に居たらどうしよう」と心配するぐらい無意味なものです。
嘘はついていない
じゃあ「今まで政府は私たちに嘘を教えていたのか」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、政府の従来の主張は決して嘘ではないのです。
「政府の負債」は日本語的に「国の借金」と言っても、間違いではないですし、それを国民一人当たりで割ると1000万円を超えるのも事実です。
ただ、国の借金というと勘違いする人も多いし、わざわざ政府の借金を国民一人当たりで割る必要もないのです。
つまり、これらの表現は本質を見誤らせる極めて巧妙なミスリードだということです。
もちろん、普通に生活していて政府の負債について考える人は極めて少数派でしょうし、義務教育の段階からこういったことを教えられると、なかなか本質を捉えることは難しくなってしまいます。
まとめ
今回は「国の借金」について取り上げてみました。
この記事で扱ったポイントは以下の通りです。
- 「国の借金」より「政府の借金」の方が適切
- 国の借金は1,342兆円だが、1人あたりの借金ではない
- 国の借金の半分以上は日本銀行が保有している
- 日本銀行は政府が55%以上を出資する“実質的な子会社”
- 日銀が受け取る利子は国庫に戻るため、日銀保有分は性質が異なる
- 日本円は日本銀行がゼロから発行できるため、返済不能は起こらない
これを機に、より知識を深めるきっかけになれば幸いです。

物事を捉えるには、感情ではなく客観的な事実が大切になるね
【出典情報】
財務省:https://www.mof.go.jp/
日本銀行:https://www.boj.or.jp/
三菱UFJフィナンシャル・グループ:https://www.mufg.jp/
