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経済

金融経済とは?実体経済の外側で動く「お金の世界」を解説

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hachikundaisuki8
兄さん
兄さん

前回の記事で実体経済は理解できたんだけど、これで世の中のお金の流れは全て説明が付くの?

はちくん
はちくん

それが実はもう1つ大事な部分があるんだ。今回はもう1つの「金融経済」について解説するね!

「そもそも経済って何だろう…」
って感じたことはありませんか?

経済って一言で言っても、GDPの話が出てきたり、株価の上昇・下落の話が出てきたり、多岐にわたります。

また、それらが私たちの生活とどのように関係しているのかは、なかなかイメージし難い部分もあると思います。

しかし、この「経済」の話は
・実体経済
・金融経済

この2つに分けることで大枠は説明することができます。

今回の記事では、後者の「金融経済」について解説しますが、これは私たちの生活や企業の投資・景気の動きにまで深くかかわってきます。

この記事では金融経済の中でも、その核となる「銀行」と「投機」を中心に金融経済の仕組みを解説していきます。

また、「実体経済」について理解できていない方は以下の記事を読むと経済全体がわかるようになると思います。

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ニュースや社会の動きに興味がある人
お金の動きについて興味がある人
経済の基礎を1から学びたい人

金融経済とは

社会のお金とモノの循環を表した図

今回もこの図を使って説明していきます。

この図を見ると、
真ん中の段には生産者と消費者がいて、モノやサービスが行き交っています。

これが「実体経済」というものです。

一方、下の青い枠で囲まれた中には、銀行と金融資産が描かれています。

これが「金融経済」の世界になります。

実体経済と金融経済の違いを具体例で比較すると次のような感じです。

○実体経済
米を生産する・美容室で髪を切ってもらう

○金融経済
銀行からお金を借りる・土地が売買される

比べるとわかると思いますが、金融経済の世界では「モノやサービスは生産されない」ということになります。

銀行

銀行の役割

この金融経済の中で重要な要素の1つが「銀行」になります。

皆さんにとって「銀行」とはどのような場所でしょうか?

多くの人にとって銀行は、お金を預ける場所・お金を引き落とす場所になっているのかと思います。

が、実は銀行のメインの役割は別にあります

それが「融資」になります。

この「融資」について、おそらく日本人の8割以上が勘違いしている事実があります。

銀行がお金を貸し出すとき、他の誰かの預金を貸している

この誤解が非常に多いので、一旦頭をまっさらな状態にして聞いてください。

実は銀行が融資を行うと、新しい預金(貨幣)が世の中に生まれます

具体例で考えてみましょう。

Aさんが銀行から1000万円の融資を受ける
→銀行はAさんの口座に「1000万円」と記帳する
→この瞬間、新しいお金(銀行預金)が誕生する

にわかには信じがたい話かもしれませんが、これは単なる事実であって「信用創造」と呼ばれます。

これは国会答弁でも日本銀行が認めている事実です。
もし興味がある方はこちらから国会の答弁をご覧ください。

つまり銀行は、融資を通じて「新たなお金を作り出す存在」ということです。

融資が増えると…

それでは社会全体で銀行が積極的に融資を行うとどうなるでしょうか。

何となく想像できるかもしれませんが、このようになります。

・工場建設や設備投資などと言った企業の投資が増える
・新たな事業を行う人手が必要になり、雇用が増える
・個人の消費量が増加する

このように結果として、実体経済の活動が活発になることに繋がります。

なぜなら、新たなお金を得る企業や個人の目的は、何かに支出したいからですよね?

つまり、融資で得たお金を財やサービスの支出に使用し、社会全体のお金の量(マネーストックと言う)が増えることになります。

返済

これまでは「融資」について見てきました。

それでは「返済」はどのような意味を持つのでしょうか?

答えは、融資が「お金を生み出す行為」なら、返済は「お金を消す行為」ということになります。

つまり、返済に回るお金が増えると、図の中を流れるお金の量が減り、実体経済が冷え込むことに繋がります。

なぜなら、返済の原資は実体経済で稼いだ「所得」だからです。

本来消費に回るはずだった所得が「返済」という誰の所得にもならない行為に使われると、本来その分のお金を得るはずだった人の所得が減ってしまいます。

つまり、借金を返済することは、個人(家計)単位で見ると良いことのように見えますが、社会全体(マクロな視点)で見ると不健全であると言えます。

このグラフを見るとわかりますが、日本の景気が良かった1900年代後半は値がマイナスになっている(借り入れを行っている)ことがわかります。

逆に、バブル崩壊とともに値はプラスになっている(借金の返済が行われている)ことが見て取れると思います。

金融経済のメリット

では、なぜ実体経済だけではダメで金融経済が必要なのでしょうか?

ここまでの話を理解できた方はわかると思いますが、それは実体経済だけでは不可能な「時間の短縮」になります。

社会のお金とモノの循環を表した図

もう一度この図をご覧ください。

例えば、毎年1億円の利益を出している企業(生産者)があるとします。

その企業に「今10億円あれば絶対に儲かるビジネスチャンス」が訪れたとしましょう。

しかし、手元にあるのは5億円だけです。

この場合、実体経済だけで考えると次のようになります。

・5年間かけて利益を貯める必要がある
・その間、投資することができない
・成長が止まる
・消費や雇用も伸びない

さらに企業が貯金を優先すると、
→支出が減る
→経済全体の需要が減る
→デフレ圧力が生まれる

このように悪影響が出てしまいます。

そこで銀行が10億円を融資すれば…

・企業はすぐに投資できる
・生産が増える
・雇用が生まれる
・消費者の所得も増える

・支出を減らすことが必要なくなる

つまり金融経済は「実体経済の成長を前倒しする仕組み」のようなものです。

投機

投機とは

今までは金融経済の「銀行」について見てきました。

しかし金融経済で大切な部分がもう1つあり、それが「投機」です。

この投機とは、「モノを買うためではなく、値段の変動そのものから利益を得ようとする行為」を指します。

例えば、土地・債権・株式などがこれに当たります。

これらの購入は一見、実体経済の消費に当たるように見えますが、これらは生産されるものではないので実体経済には分類されません。

投機が過熱すると

この投機が過熱すると、「価格が実態から離れて上がり続ける」ことになります。

例として土地で考えてみます。

①Aさんが銀行融資で1000万円の土地を買う
②Bさんが銀行融資で①の土地を買う
③Cさんが銀行融資で②の土地を買う… 
  

この場合、土地の価値が急に3倍になったわけではありません。

「まだ上がるはずだ」という期待だけで価格が上がっています。

このように土地そのものは何も変わっていないのに、「お金の世界」だけで価格が吊り上がっていくことがあります。

しかし

この土地の価格は永遠に上がり続けることはありません

もしその土地の実力が500万円だったとしたら、買い手が現れなくなった等の市場が冷えた瞬間に価格は落ちていきます。

つまり最後に土地を買ったCさんは、
・3000万円で買った土地が500万円に下落
・差額の2500万円が損失として残る
・銀行への返済義務はそのまま残る

という状況に陥ることになります。

問題はここからです。

Cさんは銀行から借りたお金を返済するために
・外食を控える
・旅行をやめる
・買い物を減らす

といった支出(需要)を削ることになります。

これが社会全体で起きると、
・消費が減る
・企業の売上が減る
・雇用や投資が減る

という実態経済の悪化(不況・デフレ圧力)に繋がります。

これが実際に起きたのがバブルの崩壊だったという訳です。

つまり、銀行の融資が積極的に行われることは本来健全な経済状況であるはずなのですが、その融資が過度な投機目的だった場合、決して良い結果が待っているわけではないということです。

おわりに

今回は「金融経済(銀行と投機)」について解説しました。

金融経済は一見難しそうですが、本質はかなりシンプルです。

・銀行が貸し出しを行うとお金が生まれる
・それを返済するとお金が消える
・金融経済は実体経済の成長を前倒しする
・投機が暴走すると実体経済に悪影響が返ってくる

この4つを理解するだけで、経済ニュースの多くが理解しやすくなると思います。

はちくん
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ぜひこれを機に、日頃のニュースの深い部分まで見てみてね!

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